暗号資産を決済手段として使うメリット6選

米国の関税対策を背景に、最近のビットコイン価格は急激に上昇。5月22日にはついに11万ドルを超えて、最高値を更新しました。さらに、アルトコインの代表格であるイーサリアムも、5月7日に大型アップグレード「ペクトラ」を完了。その後、前月比で最大86%の価格上昇を記録しています。

そのため、暗号資産(仮想通貨)を新たに購入する人が増加。同時に、取引所の破綻やハッキングのニュースが未だ絶えないことから、ビットコインウォレットやイーサリアムウォレットを活用する人も増加。暗号資産が自身の大切な資産であると人々が認識し、セキュリティ対策を念入りに行っていることがわかります。

そして、現金からキャッシュレス決済に世界的がシフトしている中で、ウォレットに保管した暗号資産を支払い手段として利用する動きが加速しています。

ところで、暗号資産で決済することは、従来の決済手段と比べてどのような利便性を享受できるのでしょうか。本記事では、暗号資産を決済手段として使うメリットを6選ご紹介します。

1. 仲介手数料の削減

たとえば週末に銀行振り込みやクレジットカード決済を行うと、「週末は銀行が休業なため、引き落としは翌営業日に行われます」という表示がよく出現しますよね。これはまさに、従来の決済方法では銀行を仲介した取引がなされていることを示しています。そして、銀行を仲介する分、手数料が発生します。

しかし、暗号資産による決済は、手数料が発生しません。なぜなら、ブロックチェーンを基盤とする暗号資産の取引ではユーザー同士で直接送金を行うため、どこも仲介しないからです。

このため、高額決済や国際送金時は高い仲介手数料が発生することがこれまでの常識でしたが、暗号資産はこの常識を覆してしてくれるのです。

2. 高速な決済

暗号資産は金融機関を仲介することなく決済できることを解説しましたが、このことにより、従来の決済方法よりもすばやく送金を完了させることが可能です。

しかもこれは、国際送金でも実現します。たとえば、銀行で他国への振り込みを行い場合、数日かかることもあるでしょう。しかし、暗号資産を使えばわずか数分から数十分で取引が完了します。

このようなスピード感は、個人間の送金だけでなく、企業のビジネス取引においても大きなメリットとなるはずです。このメリットにより、実際SBIホールディングスは、法定通貨に連動するステーブルコインを用いて海外送金を行うサービスを展開しています。

3. 年中無休で取引

さらに、暗号資産は金融機関の営業時間に左右されずに取引できることから、24時間265日決済を実行することが可能です。つまり、週末でも深夜でも、あるいはどの国に居住していても、時間関係なく取引ができます。

たとえば、海外旅行中に入院などトラブルが発生し、緊急で日本からの送金が必要になるケースもあるでしょう。そうした場面でも、暗号資産であれば即座に送金および受け取りが可能となるのです。

4. 高度なセキュリティ

暗号資産はブロックチェーンという技術がベースとなっていますが、この技術自体に高いセキュリティが備わっています。

ブロックチェーンでは、すべての取引情報が「ブロック」として記録されていますが、このブロックのデータは一度記録されると、あとから書き換えることはほぼ不可能となります。

そして、取引の履歴は誰でも閲覧できるようにすべて公開されており、取引をごまかすことができません。この仕組みが、取引上の不正を防ぐ効果をもたらしています。

また、暗号資産を保管するためのデジタル上のお財布である「ウォレット」には、秘密鍵以外にPINコードや2段階認証など、不正アクセス防止の対策が取られています。そのため、たとえばハッキングによる情報漏洩のリスクを最小限に抑えることが可能です。

5. プライバシーの保護

銀行振り込みやクレジットカードで決済をしようとすると、必ず名前や口座番号といった個人情報の入力が求められますよね。つまるところ、これは支払い先や金融機関に、プライバシーを公開することを意味します。

一方で、暗号資産では「ウォレットアドレス」と呼ばれる文字列を入力し、決済を完了させます。わざわざ個人情報を公開する必要がないのです。たしかに「AさんのウォレットからBさんのウォレットへビットコインを送った」という記録だけは残りますが、個人情報を提供しないため、このAさんやBさんが誰なのかは特定されません。

したがって、プライバシーを重視する人にとって、暗号資産決済は大きなメリットとなるでしょう。

6. 投資対象としての魅力

暗号資産は、実は発行量があらかじめ決められています。たとえば、ビットコインは最大で2,100万枚までしか発行されないルールとなっています。

一方で、私たちが普段使っている円やドルなどの法定通貨は、際限なく刷ることができます。しかし、これが増えすぎると物の値段が上がって、お金の価値が下がるインフレが発生してしまうのです。

このことから、暗号資産はインフレが発生しにくく、将来も価値が保たれやすいものという認識ができるため、投資対象としても注目することができます。

ただし、暗号資産はボラティリティの大きい資産でもあります。たとえば今年1月20日にビットコインは10万9,000ドルを突破する高値を記録したものの、関税政策により4月には7万5,000ドル台にまで低下。しかし、6月には再び10万ドルを超えて、11万ドルの値をつけました。

このように価格の高低差が激しいため、投資リスクも念頭においた上で、暗号資産を取り扱うようにしましょう。

まとめ

本記事で紹介してきたように、暗号資産決済はコスト削減や送金スピード、セキュリティといった観点で大きなメリットを持ちます。

現時点では暗号資産決済が可能な実店舗は限られていますが、このように多くの実用的なメリットが存在することから、今後日常の決済手段と多くのスポットで導入が進むはずです。

したがって、あらかじめ暗号資産に関する知識を深めておき、実際に活用することでたくさんの利便性を享受しましょう。